着ぐるみとしてのR2-D2

R2-D2の「中の人」がケニー・ベイカーだということを、『スター・ウォーズ』の知識がある人であれば、たいてい知っている。ただ実際のところ、ごく少数のスタッフが切り回していた1作目(エピソード4)を除けば、ケニー・ベイカー本人が演じたシーンというのはごくわずかしかない。
ケニー・ベイカーが中に入って演じるためのR2-D2のプロップには、他にはない特徴がある。それは胴体底部から両脚に伸びている、黒くて太いパイプ風のパーツだ。もちろんそれはただの見せかけで、中にはケニー・ベイカーの足が通っていることになる。
3本足の走行モードになった時には「無かったもの」として忘れ去られるこのパイプだが、特別編でも修正が加えられていないので、別に存在そのものを抹消したいわけでもないのだろう。現に1作目の冒頭、ブロッケード・ランナーが牽引ビームに捕らえられた瞬間に、「?」となるC-3POの横で初めてフルショットになるR2-D2の姿にもそれがあって、このプロップというかスーツにケニー・ベイカーが入っていることが分かる。
オレはたぶん、そのパイプは、あえて手を加えずに残しているのだと思う。最終作までケニー・ベイカーのクレジットを外さなかったジョージ・ルーカスなら、そういう粋なことをしそうな気がする。

画像は特に関係なし


そんで何が言いたいのかというと、これまでに数百種類ものR2-D2のフィギュアやグッズがリリースされたにもかかわらず、このパイプがしっかり付いている「ケニー・ベイカーが中に入ってる」バージョンのものが、未だかつて存在しないのはなんでだ!?ということなのだ。本当になんでか。