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実は何を隠そう、今回一番手間がかかってるのはこのスニーカーなのだ。
今回の作業の中で唯一造形的でなおかつ困難そうなのがこの『エアクキニ』風のスニーカーで、実際試しにエポパテで作り始めてみたものの、とてもカタチになりそうになかったこともあって、割と早いうちにいつもお世話になってる金子団長に頼んで『MODELA』で削り出してもらうことにしたのだ。下のが一晩で作ったデータと、団長が一晩で削ってくれたワックス原型。今回は時間節約のために、涙を飲んで「左右対称」にしてある。要するに同じクツを両足に履けるようにしたわけだ。

上がってきたワックスを削り込んで貼り合わせ、最終的な原型を作ろうと思ったんだが、団長が気をきかせてシリコン型まで作っていてくれたので、それにポリパテを詰めて成型したものをベースにすることに変更。ただ、納品1週間前のワンフェスの時期には完成してなきゃマズかった原型がなんとか形になったのは、なんと〆切3日前。ちゅーか透明素材で抜くことを前提にしてたので、逆算するとそこで原型アップしてなきゃいけなかったのだ。
靴底のソールはパターンをイラストレーターで起こした後、「手作りスタンプキット」みたいなのに使われている感光樹脂(紫外線で硬化する樹脂)でエンボス風にしたプレートを貼り付けている。

そんなわけで、まだ粗い原型を型分割とか考えずにシリコン取りして、「1個抜くたびに型を破壊し、壊した型をポリプライマー吹いて接着して再使用」という極めて乱暴な手法でもって、なんとか2足揃ったところでタイムアップ。だからゲート跡を削ったくらいで表面処理も何もできてません。本当はクリアキャスト自体に着色するつもりだったのが、配分のためのテスト抜きする余裕なんて当然ありませんでしたよ。もしこの人形が売れたアカツキには、なんとかこの靴だけは再度作り直してみたい。
とりあえずこれはがんばってくれた金子団長に申し訳ないです。そしてほんとにいつもありがとう(>大感謝の私信)。


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