now featuring UPDATED : 2015.08.28

素組んでみた

バンダイの『1/12 R2-D2&R5-D4』の発売を受けて、「いつかちゃんと作ろう、いや作らねば申し訳が立たない」という思いから、温存という名の放置状態だったR2-D2ビンテージプラモデルを一気に組み立ててみた。しかもオール素組み。合わせ目消しも塗装も一切やってません。
まぁネット上には素晴らしい作例が探せばゴロゴロ出てくるわけで、逆にキット本来のクオリティが判るものがあってもいいんじゃないか、むしろそういうのもあるべきだろう! ……そんな風に自分を信じ込ませつつ、技術やそれを補う時間的余裕がないことを棚に上げてみた次第で。
誰かがこれまで大事に残してくれていたものをゴミに変えるのは正直胸が痛んでやまないところなんですが、開き直らないと死ぬまで作れそうになかったですし。

というわけで、賑やかしに「R2-D2みたいなやつ」なんかも合わせて並べてみたよ。


mpc(Revell/タカラ)・1/8 R2-D2

EP4公開時の1977年に米国で最初期に発売されたディスプレイモデル。日本では「タカラ/レベル」のダブルネームブランドで輸入販売していたもの。当時タカラは単独の模型ルートを持っていなかったのでレベルの冠を借りていたと後にタカラの中の人に聞きました。

実をいうとこれは上の箱絵の中身ではなく、EP6の頃の再販品を途中まで作りかけて放置してたもの。確か市川のポラリスで売れ残ってたのを買ったんじゃないかな、90年代に。全体のバランスはやや寸詰まりなものの違和感はなく、後々まで再販され続けたことからも素性の良さが際立つ感じ。頭部の成形や必然的に白くなってしまったレーダーアイ周りの枠、背面のフタを開けて中のメカを見ることができる謎ギミックなど、タカラが国内で開発した玩具にかなり影響を与えてるもよう。これはデカールが健在だったので貼った。クリアブルーのとこと色味合ってないけど。

Revell/タカラ・1/10 R2-D2

タカラが独自に開発し、EP4日本公開の1978年に発売したモーターライズキット。ただし130モーターは別売り。頭部に仕込んだムギ球を光らせるオプションも用意されている。直進走行だけでなく、中央脚の調整で旋回走行も可。

中央脚に駆動輪があるため太くアレンジされているのと肩位置や首回りが独特で頭部も扁平なことからプロポーション的には印象悪いが、ディテールはパキっとしてるし、なにしろパーツの合いの精度がハンパなく良い。これ当時も作ったんだが、改めて日本の技術力というか執念を感じた。電飾と走行を切り替えるスイッチ構成で両方同時は不可。せっかくなので赤の点滅LEDを仕込んでみた。見事に光ってるタイミングで写ってませんが。色合いがバッチリ合ってるシールは最低限の範囲でそのまま使用。

タカラ・ミニモデル R2-D2

タカラが独自開発し1978年に発売した低価格キット(当時の売価は300円)。こちらは玩具流通のためレベルの冠がなく、唯一パッケージにダッコちゃんマークが入ったシリーズ。内容はmpcの1/8モデルを縮小したもので、スケール的には半分よりやや小さい(1/18ぐらいか)。

mpcの元キットを縮小用にアレンジしつつも忠実に再現しようとしていて、背面のフタを開けて中のメカを見ることができる謎ギミックまで踏襲。さすがに頭部は一体成形で簡略化されてるものの、それ以外はパーツ構成もほぼ同一で、逆に脚裏のコロ車輪とか小モデル用に変えても良かったんじゃと突っ込みたくなる。ただしそれを支えている精度の良さは賞賛すべき。大きさはベーシックフィギュア(約1/20)より僅かに大きいサイズ。200Xミクロマンとかと並べると良いのかなー。シールも付属してるのだが、正直ガイド無しに貼れない大雑把なものなので無視した。

イマイ・スターコマンド
インベーダーロボPO-6

イマイがスターウォーズ人気に便乗して1978年から展開した[デフォルメ×SF×ミリタリー]キットシリーズ『スターコマンド』の悪役として発売された電動プラモでモーター付属。他にもゴリラ顔の「PO-5」や何故か正義側なのにナチス風の「VR-1」も出てましたが、持ってません。

『スターコマンド』の主軸である一般兵は、そのデフォルメ感や内臓フレームにジョイントで組み立てる簡易さと汎用性を気に入ってずいぶんお世話になったものだけど、さすがに当時はこれを買おうと思わなかったな。おもしろすぎて。あの忌まわしい金色の腐れドロイドの顔を模したような頭部と背面のタンクは金色塗装済みで、目のところは開口されてるので中に電飾を仕込むことも可。一応これもLEDに変更しときました。
クランクで左右同時に前後する腕というか脚は、底部の車輪のストッパーが貧弱すぎてほとんど前進せず、単3電池2本という必要以上のバッテリー力も相まって、その場でけたたましく脚をバタバタさせるだけの有り様でした。なんじゃこれ。

クラウンモデル・スターウォリアー
スペースロボットアルトゥー

「STAR WARRIOR」というタイトルが示す通りの、クラウンモデルによるやはり便乗系商品。まぁ名前からして「アルトゥー」だし。パッケージに大きく「ムギ球付」とあって発光する様子が描かれているが、肝心の歩行はゼンマイ仕掛けというよく分からない仕様。

なんかあまりにも箱絵と違う完成形に絶句したり。
一応、頭部の空いてるところとか胴体の凹みに貼るためのシールが付属してるのだが、センスがアレなので使用せず。付属してるムギ球は生きてたものの、単3電池1本で光らせてみるとぼんやりと灯篭のように薄明るくなるだけ。更にゼンマイの力が非力すぎてほとんど前進できず、なにかこう死にかけの生物を看取るような心情になり、思わず合掌した。南無。

アオシマ・惑星メカニロボット
マーキュリー

「創造のプラモデル」アオシマが展開していた「惑星メカニロボット」シリーズのひとつ。大部分のパーツが5ミリ径のジョイントによる差し込み式の組み立てで、他のモデルも含めてアオシマワールド(仮称)内で自由に組み替えが可能。

このシリーズでは非人間形の4体がラインナップされていて、どれもR2-D2の影響が濃厚なのだが、あえて釣鐘型のこれをチョイス。ただ、顔面から伸びた望遠鏡パーツなどのおかげで、ストレートにR2-D2の面影を見ることは難しい。せめて頭の左右に刺さった野球のバットが外れれば良いのだが、何故かこれは固定。どうした青島。
組み替えて基地モード風にした時に本体と見立てる小型の同モデルが当然のように付属。そのへんの「おやこマシン」感はやっぱりアオシマ。

惑星メカニのシリーズには1タイプにつき×4種のミニサイズもあるけど、さすがにこのへんは作っても満足度低そうな感じ。

蛇足ながら、バンダイの1/12はようやく2号機を作った。今回は頭部の合わせ目消し+塗装まで。青い成形色パーツは日本のR2ビルダーの方に「まさにこの色」と聞いていたタミヤのTS-53「ディープメタリックブルー」で全塗装。4〜5回吹き重ねたら、まさしく理想の色になった。EP4劇中の、コマ焼きを印刷して更にシアンが抜けたような、当時飽くことなく見ていた色というか、そんな感じ。
電飾は次の3号機までの宿題ということにして、頭部のレンズ状部分はスワロフスキーでデコった。この処理けっこう好き。
蛇足ついでに、付属のR2-D2欲しさに買ったバンダイの1/48Xウイングファイター/ムービングエディションと、それの元ネタというかモチーフとなったAMT/ERTLの1/35エレクトリックXウイングファイターもデッチ上げた。当然素組みだから塗装も何もやってないス。なにしろこれもR2-D2(の上半身)が欲しかっただけだから。
一応内部の配線とか全部カンペキにやってて、外見はともかくオモチャとしては完全に動作するようにしたのだが、いざすべてを台座につなげてスイッチを入れてみたら、どうも半完成状態で入っていたギアボックス内のモーターが死んでたみたいでピクリとも動かなかった。お願いだから時間を返して。
それに比べたらバンダイの出来の良さったらないわ。何も考えずにやってここまで出来るとか、親切すぎるにもほどがある。作ってる際中はレゴ組み立ててる気分だったけど。
いろいろ悩んだ結果、このアリイの『スターコンボイ/宇宙コンピューターロボ」だけは、なんかこう「可能性を閉じ込めた箱」のまま残しておくのがいいかなと作るのを断念した。死ぬまで作らずにおいて、誰か次世代の人をまた悩ませよう。これはそういう類のプラモだ。
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