ARCHIVED UPDATED : 2014.12.08

マテルイズム

短編ながら日本独自のアニメを地上波に上げたりして地ならししようとしてる割には、目に見える範囲での反響やそれに呼応するような商品展開がジリ貧な印象もあるマテルの『モンスター・ハイ』。女玩にはまったく興味のないオレですが、まがりなりにも「モンスター」と付いてる以上、いつもほんのり気になってるのも正直なところ。

そんな中、発表された時点で「ムムムこれは…」と思わず食指が動き、どうやら日本での発売が見込めそうにないという飢餓感も加わってついつい初輸入(女玩分野に於いて)してしまったのがコレ。「INNER MONSTER」シリーズのSpooky Sweet(/ Frightfully Fierce)。二重人格だから名前が二つあんのね。肌色やアクセサリー違いの3人(6人格)から青いのをチョイスしてみました。

『モンスター・ハイ』は大きく3つの柱で構成されていて、いわゆる普通の(見た目は普通じゃないけど)着せ替え人形のラインと、それをモチーフにしたなりきり・アパレルのライン、そしてもう一つが「クリエイト」ラインと称される「服の着せ替えだけに留まらず、素体からいじりたおしてお気に入りのキャラクターを作る」カスタマイズ路線で、「INNER MONSTER」シリーズはキャラクターが設定されてることから通常の着せ替えラインなんですが、多重人格設定と内臓ギミックによって、ちょっとクリエイトラインの要素も含まれるイイトコ取りな立ち位置にあるもの。「一ツ目娘」とか「骸骨娘」とかが並み居る中では、キャラクター性が薄いというかモブ的な存在にも思えますが。
外見上は[人格が変わる=目の色が変わる]という頭部の固定ギミックに付随して、顔にフィットさせるペイントされた「面」やアクセサリー類が用意されてるものの、まぁいたって普通。ただ、これの正体はそのへんを全部取っ払ったところにありまして。

これがその中身。クリア成型のボディの内部には骨が造形されていて、カバーを外して内部にアクセスし、付属してる「内臓」というか「わたしのスキなもの」を選んで配置することができます。もうね、なんじゃこりゃと。確かにこの「透けてる中に見える内蔵」というのこそオレの琴線に触れた部分に他ならないわけですが、これ女子向け玩具なんですよね、一応。こんなんで喜ぶのか、女子? 理解不能だぞ、女子。
ちなみにサラっと流してますけど、この人、脳ミソむき出しです。この脳がスイッチになっていて、押し込むと目のパターンが変わります。もうね、他人事ながら、それ誰も問題にしなかったんですかと問いかけたくもなります。

ただ、よくよく考えてみれば、マテルといえばかつて心臓ドクドク男の『PULSAR』があったり『ホラーペッツ』『マイティマックス』といった「外見と中身の両面遊び」を主軸とする玩具の歴史もあって、あながちこれが「マテルイズム」なのかなと思うところもあったり。まぁ『マッド博士の実験室』や『ボグリンズ』のメーカーだから、グロいのもむしろ必然というか。

さて実はちょっと不満もありまして、最初にトイフェアで発表された時はこの素体が手足まで透明成型だったんですが、実際には不透明に変更されてます。どうせなら(頭はともかく)全身透明にしたいなぁと思い立ったのが運のツキ。

調べてみたら先述のクリエイトラインの中の『アナタにおまかせセット』という素体2組が入ったお得なセットのうち「氷&小塊」というのがクリア素体らしく、さらにうまい具合に日本版がアマゾンでお値打ち価格になってたのですかさず追加購入。クリエイトラインの基準で、すべてのパーツが分解された状態で入ってるのがそそられるしエグい。日本ではいまいち発展性のないこの路線、どういう文化の違いか向こうではかなりの人気を博してるらしく、「人形にタトゥーシールを貼るための手術台セット」とか「ipadで設定したパターンを人形のパーツに直接ペイントするペンプロッタ」なんてものまであって驚愕を隠せなかったり。
ちなみにこのセット、服もすべて2組分入ってるのに靴はなぜか1足しか付いてないので、たぶん合いそうなクリア成型の靴が入ってる別売りの洋服セット(半魚人用)も併せて買いました。なんかもうドツボ状態。

なんか「本体と幽波紋」みたいにも見えますが。赤い方(溶岩娘)の軟質樹脂の髪がギアッチョみたいなせいか。本来モンスターハイの人形はギミックを内臓してるもの以外は基本的にすべて可動部で分解することができるので、セット内に限らず自由に組み替えてカスタムが可能。お目当ての氷娘は微妙にブルーの色合いが異なるものの、透明感もあって割とイイ感じ。ただ「氷」だけあって手足はそれをイメージしたクリスタル風の面取りが施されてる特殊形状パーツだったのが微妙な落とし穴。なんというか往年のREMCOの『CRYSTAR』みたいな感じで、そういえばあれも敵は溶岩一族でしたわ。

もっと普通の手足は無いものかと検索してみたところ、そのものズバリの「モンスター・ハイ透明ボディ」というのが売られてるのを発見。中国サイトなので、おそらくウォルマートとかケイビーの隅っこで売ってる『ゾンビガールズ』とか『スケアリーガール』とかいうパチモノの類いかと思いますが、透けてて使えればこの際なんでも可。
ただ当然といえば当然で、関節ゆるゆるだわプラパーツのバリはすごいわで何しろクオリティが低すぎ。おまけにジョイントの径が本家と全然違ってて使い物にもなりゃしねぇ。ところが何故か本体に付属してた別の頭部パーツに先の「溶岩娘」と同じギアッチョ髪の成型色違いが付いてたので、それだけはありがたく使うことにします。なにしろオレ、植毛の髪の毛が苦手でして。以前「お人形を撮る時は、少なくともちゃんとブラシで髪をといてからにして下さい!」と割とガチで忠告されたことがあって。人形者おっかねぇっす。

というわけでこちらに落ち着きました。実際にやってみて思いましたが、服を着せるわけじゃないから靴とかいらんかった。

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