。少なくとも玩具サイドの人間ではないオレのデザインを主人公として容認(譲歩か?)した以上、何としても購買層にアピールできる商品を別に確保せねばならんというメーカーの涙ぐましい熟考の結論であったのだろう。なんか随分セガに肩入れしてるね。ちゅーかオレ自身も色々あったんだね。
それと同時に『シャンバイザー』を変身アイテムとして使用するという、これまた玩具的な要望によって、主人公は「ゴーグル顔」であることが求められた。なにしろオレ自身、どちらかと言うとそういうゴーグルの付いた「無表情な顔」が好きな傾向にあって、本来ならばそれは歓迎されるべき変更なんだが、だからこそ逆にシャンゼに関しては「目」にこだわろうと思っていた部分もあって、正直かなりヘコんだ気もする。
そんなわけで、『LIGHTNING ROLE』として進めていたデザインに、ゴーグルと多少のメカニック的要素を加えたデザインを起こしてみたものの、本来「透明顔」である部分に「透明なゴーグル」を加えるもどかしさもあって、なかなかコレ!というものにまとまらずにいたのだった。
そこで急きょ、一番最初に提示したいわゆる『キャプテン・サターン』のデザインに立ち返り、「透明+鏡面=白」1色だったイメージを捨て去って、ゴーグルを含む「黒い」部分を盛り込んだデザインを、企画会議の数時間前に仕上げたのである。これは可動する部分や擦れるおそれのあるパーツに暗色を用いることで「透明素材でなくてもいい」部位を作るという、どちらかと言うと「逃げ」の姿勢をデザイン的に昇華する意味もあった。そして某氏の後押しもあって、会議ではすんなり後者のデザインが採用されたのであった。