とにかく残り話数10話を切った時点で登場するニューヒーローで、おまけにデザインする時間も全然なかった(ちょうど夏休みを取る直前で、成田に行く前に東映に寄って提出した)。ただ、シャンゼに関してはデザイン的に妥協しない、やりたいことはトコトンやるというポリシーがあるんで、がんばったんですよ、一応。
とゆーわけで、コンセプトとしてはマッチョなタイツヒーロー。体の筋肉部分とかを、戦隊でおなじみのタイツ生地で、造形でなく「縫製」で作るというのがやりたかった。ちゅーか、これは透明素材ヒーローなんかよりももっと昔からやりたかったイメージで、オレがクラウドに入るときに描いたサンプルの中にも同じようなのがあったりする。
とにかくシャンゼとは根本的に異なる要素で構成されたヒーローって事で、素材的にも柔らかいものを使い、特に戦隊みたいなタイツヒーローをカッコ良しとする価値観を一歩向上させようというのが狙いだった。そんでもってシャンゼと並んでも見劣りしないシルエットも持たせたい。一方で、闇生物ミミンガの毛の造形がすごく良かったんで、これはもう『ゴッドマン』をやるしかないなぁと。そんなわけで、髪の毛を付けたゴーグルタイプの顔と、ベルトや四肢にマーク状のパーツを付けたりもしている。
色に関しては、速水の変身は当初「赤」のイメージ(これは、戦隊レッドにも通じる)で行こうとしてたんだが、超光戦士との兼ね合いもあって、「緑」という案もあったので、そっちを採用。どーせ緑で、ちょっとしか出番がないなら、いっそX1マスクにしてしまおうということで、意識的に色分けも近づけている。これは、実はちょっと話題性も狙った(って、NIFのシャンゼ会議室ぐらいだが)。
設定が出来る前にデザインを上げてしまったんでアレなんだが、闇次元の要素が入っていいなら、もーちょっと悪っぽい感じにしても良かったか?十分、凶悪か?
というわけで、実物を見たヒトはわかるんだが、縫製はムリだったようだ。確かに打ち合わせでも難色を示されたし。丁度デザインしてる時に、劇団新感線の竹田(団吾)さんと色々話したりして、難しいのは承知の上だったんだが。だから、まぁ、ちょっと悲しかったりするね。いずれやりたいね、いずれ。