普通であること

オーズをやってて一番儲けたと思うのは、出渕さんのデザイン画を逐次送ってもらえることだ。

出渕さんのデザインはいい。時間を忘れて見入ってしまう。そしていつも感じるのは、出渕さんのヤミーは、とても普通だ、ということだ。

普通というと語感が悪いか。なんというか、普遍性がある、という感じ。もうずっと、百年前からそうだったでしょ、的な揺るぎなさがある。絵は繊細だけど、デザインの構築法はとても力強い。

あるべきものがきちんとそこにある。

当たり前のものが、当たり前のようにそこにあることを、普段ひとは意識しない。だからこそ、普通であることを表現するのはひどく難しい。

こういう局面に立ち向かわざるをえない時、変化球の球種ばかりを追いかけて来た、なまじっかなピッチャーは困り果てるのだ。変化球なんて右に曲がるか左に曲がるか、上がるか下がるかしかないのだから。

難しいな、「普通」。