ペルソナ


いよいよ奇跡のHG化を遂げた「オレガンダム」であるところのガンダムダンタリオンのプラモデルが6/24に発売されるわけですが、明日からしばらく私事でバタバタしそうなので、関係者特権でバンダイ様からご提供いただいた製品サンプルと共に、ちょっと先行して喜びたいと思います。

バンザーイ!!!

HG化の一報が流れた際にあまりに動揺したエントリを上げてしまったせいで、あたかもオレの与り知らぬところで製品化が進められたように感じた方もいらっしゃったようですが、もちろん製品化に向けて動いていることは存じ上げておりましたんですよ、本当に。決してハブられてたわけではなくて。ただ、いつもなら当然あるはずの「製品化前の試作監修」みたいなものが一向になく、「やっぱりガンプラ化はムリなのかな」と疑い始めていたところであの発表だったので、かなり寝耳に水だったわけであります。いきなり彩色見本で来ましたからねぇ。
ちなみに最近になってわかったのは、実は昨年の段階でその「製品化前の試作監修」の打診は届いていたのですが、よりにもよってそんな大事なメールがなぜか未読のままゴミ箱フォルダに入ってしまっておりまして、オレはこの一世一代の朗報を不覚にも見逃していたのでありました。次の日に届いたメールには普通に返事戻してるのに、いったいこれは何の呪いだったんでしょうか……。

さて気を取り直しつつ、この商品化のきっかけとなった『月鋼』第2部を拝読していると、ダンタリオンの顔をどうやってカッコ良く描こうかと苦心されている様子が伺えます。おそらく多くの方も違和感を覚えてらっしゃるであろう、このダンタリオンの顔についての釈明をひとつ。

以前書いたように熟考に熟考を重ねて送り出した「鼻としての[への字]を持つガンダム顔」なのですが、描いたオレ自身もダテにガンダム愛してきてませんから、当たり前のように違和感はあるわけです。新ガンダムのデザインとして提出する際に、同じようにガンダムを愛するサンライズの方々にこんなものを見せたら一蹴されるだろう。ならば、とオレが考えた奇策が
「実はこのガンダム、顔が変えられます」というものでした。

これは[ペルソナ・システム]といって、阿頼耶識から抽出した人格データを頭部にあるデータサーバに保存しておいて、用途に応じて別の頭部に変更することで戦術そのものを変えられる、要するに多重人格機能とでも言いましょうか……
……人格データということは、パイロットそのものということですか?
そう!つまりこのダンタリオンは厄祭戦末期における人材不足解消のために、無人運用が可能な機体として開発されたものなのです!
……おお!なんかよく分からんが理にかなっている!
ところがこれには誤算があって、阿頼耶識からの膨大なデータ量に対応するために増殖する量子サーバが、やがてパイロットの人格すべてを奪うようになるんです。当然パイロットは廃人になる。こいつは乗り手を食らうガンダムと化してしまった!
……(ゴクリ)
焦った開発陣はテスト運用を中止し、阿頼耶識を封印して旧式の、すべてマニュアル操作による運用システムに切り替えることにしました。だからほら、胸元に窓があるでしょう。ここが開いてパイロットは常に有視界操作するんです。ここから常に半裸の少年が身を乗り出して操縦するんですよ!
……きゃーステキ!抱いて!
(注:すべて脳内設定、脳内リアクションによるものです。実際の公式設定とは異なります)

みたいなことを想定して描いたのが上のラフスケッチで、この時はまだブレードアンテナもなく、『八つ墓村』の田治見要蔵みたいなロッドアンテナになってますが、槍玉に挙がるであろう顔については「ほら、バルバトスみたいにもなりますよ。ゼータみたいなのもいいですね」という言い訳を事前に用意しておいたのです。
ところが結局こうしたやりとりは一切行われず、要望があったブレードアンテナを修正するだけで受け入れられたダンタリオンですが、この[ペルソナ・システム]の一端だけは今後の対応のためにも残しておこうと、こっそり仕上げて設定の中に紛れ込ませておいたのでした。ホビージャパンの記事にはしっかり載っていたりするので、何のことか疑問に思われた方もいるでしょう。

さらに遡れば、この「トサカと頰あてで頭部を固定」したように見える構造自体は、オレがオルフェンズのコンペの際に提出した「すべてのロボットをガンダムにしてしまう呪いのフレーム」という案に基づいていて、だからトサカのてっぺんにあるインコムみたいな円柱形のヒンジは実際のガンダムフレームにもかろうじて残ってるわけです。なるほど、って感じですが。
というわけで、皆様もぜひお気に入りのガンダム顔を用意して、「ペルソナチェンジ!※」してみてはいかがでしょうか、なんつって。(※くれぐれも脳内設定です)